お知らせ

夏に多い小児の疾患にご注意ください!

夏に多い小児疾患をご紹介いたします!

この機会にぜひ知っていただき、お子様の健康の役立てていただけますと幸いです。

 

■プール熱(咽頭結膜熱)■

プール熱とは

正式名は、咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)といい、アデノウイルスによって引き起こされる感染症です。

咽頭炎(のどの痛み)と結膜炎(目の充血)が代表的な症状です。感染力の強い流行性角結膜炎(流行り目)と似ているため、的確な診断が大切です。

プールでの感染が多く見られることから”プール熱”とも言われていますが、症状の原因となるアデノウイルスには季節性はありません。夏場に多い病気ですが、最近では季節を問わず流行することがあります。

プールが原因で流行する場合は、ウイルスによって汚染された水から直接ウイルスが結膜に入ったり、タオルの共用などで感染します。

その他にも、咳やくしゃみ、患者との接触、タオルや食器の共有によってもうつることがあります。

プール熱の症状

39°前後の高熱が出て、喉の痛みが強く、真っ赤になります。

眼は充血して真っ赤になり、痛みやまぶしさを訴えたり、涙や目やにが出ます。眼症状は主に片方から始まり、その後もう一方にも発現します。

治療

対症療法が中心となり、症状を和らげるための薬を飲みます。

眼の症状が強い場合には眼科による専門的な治療が必要です。

症状は3~5日間くらい続き、腹痛や下痢を伴うこともありますが、一週間程度で回復します。眼に後遺症を残すことはありません。

予防

予防の基本は石鹸による手洗いうがいです。

プールでは泳ぐ前と後のシャワー、眼をしっかりと洗うこと忘れずにしましょう。

タオルや洗面器は共用しないようにしましょう。

登園・登校について

主な症状が消えた後2日を経過するまでは出席停止となっています。 治癒証明書が必要な方はご相談ください。

 

■ヘルパンギーナ■

ヘルパンギーナとは

発熱と喉の水疱を特徴とした小児のウイルス性咽頭炎で、夏かぜの代表的疾患です。

ヘルパンギーナの症状

突然の発熱に続いて、上顎の粘膜の奥の方に赤い小さな水疱ができます。

水疱が破れて潰瘍ができると、 唾も飲み込めないほど強い喉の痛みを感じます。

※潰瘍:からだの一部が深いところまで傷ついた状態

ヘルパンギーナの治療

治療は対症療法のみで、現れている症状によっては解熱剤を使います。

喉の痛みから食欲もなくなるので、水分を十分に摂り、脱水症状に注意します。

3日前後で熱が下がり、発症から1週間ほどで回復します。

ヘルパンギーナの予防

感染者に近づかないことが大事ですが、手洗いうがいが基本です。

まれに髄膜炎、 脳炎を合併することがあるの、頭痛、嘔吐、高熱が続く場合には早めにご相談ください。

登園・登校について

主な症状が消えた後も、ウイルスが長期間便から排出されることがあるので、症状のある時だけ出席停止にしても厳密には流行を防ぐことができません。

治癒証明が必要なことがあります

 

■手足口病■

手足口病とは

病名の通り、手・足・口に水疱ができる感染症で、大部分は発疹のみの軽い症状です。

4歳くらいまでの幼児に多い感染症ですが、感染力が強く、小学生でも流行することがあります。

手足口病の症状

手のひら、足の裏、口の中に小さな複数の水疱ができます。 肘や膝お尻にできることもあります。

口の水疱が破れて潰瘍ができると、しみて痛いため、食べられなくなります。

※潰瘍:からだの一部が深いところまで傷ついた状態

治療・予防

特別な治療を必要としないことがほとんどですが、口の中が痛くて、食べられなくなるので、脱水症状にならないように水分をとってください。

発熱はありますが、38℃以下がほとんどです。下痢を伴うこともあります。

1週間程度で自然に治ります。

まれに髄膜炎、脳炎を合併することがあるので、頭痛・嘔吐・高熱が続く場合には受診しましょう。

手足口病の予防

予防は感染者に近づかないことと、手洗いうがいが基本です。

登園・登校について

主な症状が消えた後も、ウイルスが長期間便から排出されることがあるので、症状のある時だけ出席停止にしても厳密には流行を防ぐことができません。

治癒証明が必要なことがあります。

 

■伝染性膿痂疹(とびひ)■

伝染性膿痂疹(とびひ)とは

あせもや虫刺されを掻いてできた傷に、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌が感染して炎症が起きます。人にうつる病気です。

強いかゆみのある水疱ができ、化膿することもあります

とびひの症状

水ぶくれや、じゅくじゅくした湿疹ができます。

かゆみがあり破れやすく、やぶれるとじくじくしてその後かさぶた(痂皮)ができます。その間新しい水疱が次々と増えます。

次第に乾燥していき全体の経過は2〜3週間位といわれています。

とびひの治療

治療には抗生物質の入った塗り薬を塗り、何ヶ所にも広がっている場合には抗生物質の飲み薬を併用します。

触ると広がるので、塗り薬を塗った後はガーゼで保護しておきます。

患部を掻かないように「爪をきちんと切っておく」、「こまめに手洗いをする」、「タオルは別々にしてお風呂は最後に入る」ことも大切です。

登園・登校について

治療して、病変部をガーゼや包帯できちんと覆って露出していなければ、登校・登園許可を得られます。しかし、病変が多発していたり、広範囲の場合は休ませるほうがよいでしょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

西東京市の耳鼻咽喉科 安部医院がお送りいたしました。
今後も皆様の「こんなクリニックがあったらいいのに」に応えて参ります。
今後ともよろしくお願いいたします。