アレルギー性鼻炎

病気の症状とメカニズム

風邪を引いているわけでもないのに…クシャミが出たり、鼻水がいつまでたっても止まらない。鼻の奥が詰まってしまい、目がかゆく、涙目になることも…

こんな方は「鼻のアレルギー」かもしれませんよ!文明病とも言われる「アレルギー」。20代前半の若者はなんと9割近くがアレルギー予備軍とも言われています。私たちの身の回りは、アレルギーを起こす物質であふれています。「大気汚染」、「様々な化学物質」そして「毎日の食事」など…様々な環境が引き金となってアレルギーが起こると考えられているのです。

くしゃみがいつまでも止まらない。水のような鼻水や頑固な鼻づまり。これが鼻のアレルギーの代表的な症状、鼻のアレルギー、アレルギー性鼻炎。アレルギー性鼻炎の一つが「花粉症」。鼻の粘膜につくと、水分を吸収して、殻が破裂。アレルゲンを放出します。このアレルゲンが鼻の粘膜に悪さをして様々な症状が起こるのです。実は、「花粉症」が原因のアレルギー性鼻炎は、全体の3割ほど。花粉症の2倍、およそ60%は、ダニやハウスダストが原因で起こっていたのです!

家の中に多く生息しているのが「チリダニ」。このチリダニは、フケやアカを餌にして、じゅうたんや布団の中に潜んでいるのです。これらのダニが生息しやすい環境、それは、摂氏10〜35度という温度。寒ーい冬は気温も低いからダニはぐんと減る、という気がしますよね。そこで、今の季節、家の中にどのくらいダニがいるのかチェックしてみましょう!およそ1平方メートルの範囲のじゅうたんを1分間掃除機で吸い取ってみます。吸い取ったゴミ袋を取り出します。さあ、その中に一体どのくらいダニがいるでしょうか?ダニの成分はタンパク質です。そこで、特殊な水溶液で、ダニに含まれているタンパク質を溶かし、ダニの数を割り出します。2年間使っているじゅうたんには350匹のダニを発見!布団はじゅうたんより少し少なめ、150匹のダニがいることがわかりました!ダニの生息には、湿度も大きく影響します。ダニは、湿度60%以上が大好き!乾燥している冬に湿度60%以上にしてしまう原因。それが「結露」。そこには、目に見えないカビがたくさん生えてしまうのです。窓のサッシの下やじゅうたんに隠れて発生したカビを餌に、ダニが増え始めます。「結露」「カビ」「ダニ」・・・この流れがアレルギー性鼻炎を引き起こすことになるのです。その上、窓を閉め切って暖房をする冬は、部屋の中のダニが外へ出ていかない状態。さらに暖房による空気の対流で、ダニが部屋中常に飛び回り、鼻の中に侵入しやすくなっているのです。アレルギー性鼻炎にかかっている鼻は粘膜がとても敏感。冬場の寒さや乾燥がアレルギー性鼻炎の症状を悪化させることもあります。

ダニなどの抗原が体の中に侵入すると、それを異物と認知して、「抗体」という物質が作られます。その後、再び体内にダニが侵入してくると、今度は抗体が抗原を攻撃して排除しようとします。この反応が免疫!この免疫によって、私たちの健康は守られているのです。ところが、アレルギーの人は、その免疫反応が体にとって都合の悪い働きをすることがあります。まず、ダニが鼻に入ると、ダニの中からアレルギーを起こす物質「抗原」が鼻の粘膜に侵入します。すると粘膜では、抗原に抵抗するため「IgE抗体」という特殊な抗体が作られます。このIgE抗体は、アレルギーを起こす細胞「肥満細胞」の表面に取り付きやすい性質があります。抗原が侵入するたびに、IgE抗体が肥満細胞の表面に次々と結合していき、それが、あるレベルにまで到達するとアレルギー反応を起こす準備ができあがります。このような状態のところに再びダニが侵入すると、今度は抗原はIgE抗体そのものと結合します。この刺激によって、肥満細胞が活性化されて「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」といった化学伝達物質が放出されますヒスタミンが、知覚神経を刺激すると、まず粘膜に「かゆみ」を感じ、続いて「くしゃみ」が起こります。さらに、知覚神経がもっと強く刺激されると「鼻水」が出てくるのです。もう一つの化学伝達物質、ロイコトリエンは、鼻の血管を膨張させ、水ぶくれ状態を起こします。その結果、鼻の内部が狭くなり「鼻づまり」が起こるのです。アレルギー性鼻炎の三大症状は「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」!

これらの症状はなぜか朝に強く現れます。アレルギー性鼻炎の症状が出る時、深く関わっているのは「自律神経」。そのバランスに秘密が潜んでいます。体の機能は、活動している時に優位に働く「交感神経」と休んでいる時に優位に働く「副交感神経」によって調整されています。目が覚めると、副交感神経から交感神経へと自律神経のバランスが移行します。しかし、アレルギー性鼻炎の人は、このバランスが一時的に乱れ、血管を収縮させる交感神経が抑えられます。鼻の粘膜の血管は膨張して鼻づまりが起こり、膨張した血管から水分が漏れて鼻水となります。朝なのに、副交感神経が優位になる。そんな時に、アレルギー性鼻炎の症状が起こりやすいのです。

アレルギーの原因に囲まれて生活している私たち。誰でもアレルギー性鼻炎になる可能性を秘めています。

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治療と薬

** アレルギー性鼻炎の治療薬 **

薬物療法

  • アレルギーの症状が出る前に使用する薬
    抗アレルギー剤
  • アレルギーお症状が出た時に使用する薬
    ステロイド点鼻薬・抗ヒスタミン剤

減感作療法

アレルギーの原因となる抗原を注射し、抗原に対する反応を弱める

レーザー療法

鼻の粘膜にレーザーを照射し、粘膜を縮小する

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最先端技術

結核予防のために使われるワクチンはおなじみ、BCG。どんなBCG接種を経験したかで年齢がわかるとも言われていますが、皆さんはご自分のBCG、覚えていらっしゃいますか。

実は、この「BCG接種」が、アレルギー性鼻炎の新しい治療法として注目を浴びています。京都大学が調査したところ、ツベルクリン反応がずっと陰性の生徒の16%がアレルギー性鼻炎を経験しているのに対し、陽性の生徒では9%と少なかったのです。つまり、結核菌に感染している人が、アレルギー性鼻炎を起こしにくいのです。実は、病原体を攻撃するヘルパーT細胞にはI型とII型の2種類があります。

I型とII型はシーソーのようにバランスを取り合って免疫力を維持しています。体内に細菌が侵入すると、感染を防ぐために攻撃するのは「I型」。そして「II型」には、花粉やダニが侵入したときに攻撃するという働きがあります。

結核菌に感染すると、ヘルパーT細胞のI型が強くなり、花粉を攻撃するII型が弱くなり、アレルギーの症状も弱くなる。つまり、結核菌が、アレルギーの症状を抑えるのではないかと考えたのです。

去年の7月、千葉大学付属病院で、130人が「BCG接種」を受けており、臨床試験としてその結果がまとめられているところです。BCG接種によるアレルギーの治療。今後の研究に大きな期待が寄せられています。

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自己管理

鼻炎薬は主に2種類。

鼻づまりの症状をいち早く直すには「鼻炎スプレー」が効果的。一方、「錠剤」は薬によって、その成分が違います。改善させたい症状によって薬を選ばなければいけません。鼻詰まりを改善したい時は、塩酸プソイドエフェドリン。鼻水を抑えるのは、ベラドンナ総アルカロイドです。くしゃみには、メキタジン。鼻炎の薬には、これらを中心にして4〜6種類の成分が配合されています。

しかし、成分が多いだけに「眠気」、「血圧上昇」、「排尿困難」などの副作用も多く、「緑内障」、「前立腺肥大」などの疾患を持っている人は注意が必要です。薬を買う時は薬局で良く相談してください。説明書を必ず読んで、1回の使用量や1日の使用回数は守るようにしてください。

点鼻薬の主成分である血管収縮薬は、交感神経を刺激して血管を収縮し、鼻づまりの症状を軽くしてくれます。けれども、長い間、続けて点鼻薬を使っていると、回数や量をどんどん増やさなければ鼻づまりが取れなくなってしまいます。これは、鼻粘膜の自律神経のバランスが崩れ、循環障害に陥るからなのです。かえって鼻づまりがひどくなってしまうことになります。「点鼻薬鼻炎」という言葉があるくらいです。

鼻炎スプレーを使うときは…まず、軽く鼻をかみます。次に容器をよく振ります。そして、片方の鼻の孔をふさぎ、もう一方の鼻の孔に容器の先を入れて、軽く吸いながら噴射します。アレルギー性鼻炎でお悩みの方、薬を上手に使うことで、鼻炎のストレスが少しでも減ることを祈っています!

くしゃみ、鼻水、鼻づまりが治らない。アレルギー症状が長く続くと集中力がなくなり、思わぬ失敗にもつながりかねません。
早期治療がまず第一。
ぜひ一度耳鼻咽喉科の専門医へ。

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日・祝
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・・・耳鼻咽喉科、小児科、内科
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